1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10770928
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
内田 英哉 岐阜大学, 医学部附属病院, 助手 (70273133)
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Keywords | 実験緑内障モデル / 乳頭周囲網脈絡膜萎縮 / 原発閉塞隅角緑内障 / 原発開放隅角緑内障 |
Research Abstract |
サル実験緑内障モデルにおける、視神経乳頭および乳頭周囲網脈絡膜萎縮(PPA)の変化について、カニ食いサル8頭を用いおこなった。高眼圧による視神経乳頭パラメータの変化は、Hidelberg Retina Tomography(HRT)による質的、量的評価により眼圧上昇が得られた7頭のうち5眼(71%)において認められた。PPA(zone α,β)については、処置前にHRTでzone αが認められた症例は2例ありzone βが認められた症例はなかった。高眼圧が持続した症例7例中4例(57%)においてzone αの拡大が認められた。ただしzone βの出現は1例のみ(14%)に認められたのみであった。zone α、βの拡大が認められた症例においては全例視神経乳頭の陥凹拡大が認められた。このことから、実験緑内障モデルにおいて、PPAの変化は視神経乳頭パラメータよりは高眼圧による影響を受けない可能性が示唆された。 また、臨床研究としては緑内障性視神経乳頭変化の成因について、主に機械的要因(眼圧)が関与していると考えられる21例の原発閉塞隅角緑内障(PACG)と、機械的因子と循環因子が関与していると考えられている、31例の原発開放隅角緑内障(POAG)におけるPPAの特徴を検討した。PPAの頻度はPACGに比べPOAGにおいて有意に多く(p=0.048)、また面積も大きかった(p=0.005)。POAGにおいてはPPAの面積は視神経乳頭パラメータと有意に相関したが、PACGにおいては両者に有意の相関は認められなかった。これらのことから、POAGとPACG両者の視神経乳頭の緑内障性変化の成因において相違がある可能性が示唆された。この研究はAmerican Journal of Ophthalmologyに掲載された。
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Research Products
(1 results)