1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10770941
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Research Institution | 宮崎医科大学 |
Principal Investigator |
中馬 秀樹 宮崎医科大学, 医学部, 助手 (20244204)
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Keywords | NO / cGMP / コリン作動性収縮 / ウサギ瞳孔括約筋 |
Research Abstract |
一酸化窒素(NO)は半減期の短い低分子量のガス状ラジカルであるが、近年、中枢、末梢神経における神経情報伝達物質として注目されている。われわれはNOがウサギ瞳孔括約筋のコリン作動性収縮を抑制するがタキキニン作動性収縮には影響を与えないことから、コリン作動性収縮はNO感受性、タキキニン作動性収縮はNO非感受性であることを発見した。そこで、今回、そのメカニズムを明らかにするためにNO関連物質を添加した後のウサギ瞳孔括約筋のcyclic GMP(cGMP)の変動を測定した。まず、NO供与体であるSNPを10分間作用させた後、ラジオイムノアッセイを用いて、組織内のcGMP濃度を測定した。また、外因性cGMPを投与して等尺性張力を測定した。SNPにNO消去剤であるCarboxy PTIO、カルバコール並びにニューロキニンAをそれぞれにSNPに同時投与した際のcGMPを測定した。その結果、SNPはウサギ瞳孔括約筋における細胞内cGMPを濃度依存性に上昇させ、その効果はCarboxy PTIOにより有意に滅弱した。また外因性cGMPはコリン作動性収縮を抑制したがタキキニン作動性収縮は抑制しなかった。またカルバコール並びにニューロキニンAはSNPのウサギ瞳孔括約筋における細胞内cGMPの濃度上昇効果に影響を与えなかった。これらの結果よりNOは細胞内cGMPの濃度を上昇させコリン作動性収縮を抑制することが示唆された。
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