1998 Fiscal Year Annual Research Report
網膜変性症の発症機序の分子基盤と、その理論を応用した治療法の開発
Project/Area Number |
10770951
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
中村 裕 慶應義塾大学, 医学部, 専任講師 (90198242)
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Keywords | EAT遺伝子 / トランスジェニック マウス / アポトーシス / 光障害 / ERG |
Research Abstract |
網膜変性症の病態生理を明らかにし、その治療法を開発することは、医学的に解明されるべき重要な課題である。申請者は、独自に細胞変性ならびに細胞死を阻止する遺伝子EAT遺伝子を網膜に発現するようにしたトランスジェニック・マウスを用いることで、同分子の網膜変性に対する作用を検討する。既にEAT以外のbcl-2ファミリー遺伝子が網膜変性のシグナル伝達系に関与することは知られているが、EAT遺伝子は他の細胞死を阻止するbcl-2ファミリーの遺伝子とは異なりその発現が種々の薬物によって誘導されることが知られている。我々はまず、第1のステップとして、網膜変性症実験モデルマウス(トランスジェニックマウス)ならびに、その対象群に対し光曝露2000ルックスを数週から数ヵ月施行する。その結果を網膜電図(ERG)を施行し、更に組織学的に検討した。その結果、EATのトランスジェニックマウスとコントロールマウスを比較すると、予想に反して、トランスジェニックマウスの方が、網膜変性がつよく、ERGの低下および、組織学的な網膜神経細胞の減少が強かったそこで、次にm-RNAをとり、gene array法によって、EAT、bcl-2 Bax、等のbcl-2ファミリーがマウスの網膜において、どの程度の量が発現しているかを検索中である。
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