1998 Fiscal Year Annual Research Report
抗IL-12抗体投与による実験的自己免疫性ぶどう膜網膜炎の抑制
Project/Area Number |
10770957
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Research Institution | Tokyo Medical University |
Principal Investigator |
横井 秀俊 東京医科大学, 医学部, 助手 (80297332)
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Keywords | EAU / Th1 / Th2 / IL-12 |
Research Abstract |
マウスのヘルパーT細胞はTh1とTh2の2つのsubsetから成り,Th1細胞は主に細胞性免疫に関与し,Th2細胞は液性免疫に関与する.ナイーブT細胞をIL-4で刺激するとTh2細胞に分化する一方,IL-12による刺激ではTh1細胞に分化する.我々はこれまでに,抗原特異的Th2細胞誘導による実験的自己免疫性ぶどう膜網膜炎(Experimental autoimmune uveorctinitis:EAU;主にTh1による免疫反応が関与)発症抑制につき,Th2誘導性ペプチドまたは抗IL-12抗体を用いた検討を行ってきた.抗原(IRBP)免疫時に抗IL-12抗体を投与することにより,病原性Thl細胞の誘導が阻害され,抑制性Th2細胞に偏位することで.EAUの発症が抑制された.また,抗IL-12抗体を投与されたマウスはIRBPの再免疫に対しても抵抗性であった. 臨床において,再発を繰り返すぶとう膜炎を根本治療するためには,全免疫能を下げて対応するという方法ではなく,その病因特異的な治療が不可欠である.今回は,抗IL-12抗体をヒトTh1依存性自己免疫疾患に臨床応用することを目的とし,1)寛容機構における抗原特異性の確認,2)発症後の疾患に対する治療効果の解析,の2点につき検討を行った. 1) IRBPで誘導されたEAUモデルに,異なる網膜自己抗原であるS-antigenを用い,寛容機構における抗原特異性を解析したが,これを支持する結果は得られなかった. 2) IRBP免疫後,眼底病変の有無を顕微鏡下観察し,EAU発症を確認後,抗IL-12抗体を投与したが,治療効果は認められなかった. 現在は,抗Fas抗体を用いてアポトーシスを誘導し治療効果を高めるという方面で,さらに解析を進めている.
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