1999 Fiscal Year Annual Research Report
抗IL-12抗体投与による実験的自己免疫性ぶどう膜網膜炎の抑制
Project/Area Number |
10770957
|
Research Institution | Tokyo Medical University |
Principal Investigator |
横井 秀俊 東京医科大学, 医学部, 助手 (80297332)
|
Keywords | Th1 / Th2 / ぶどう膜炎 / IL-12 |
Research Abstract |
今回、申請者らは、抗IL-12抗体による病原性Th1細胞阻害作用に着目し、再発を繰り返すぶどう膜炎の根本治療を目的として、1)寛容機構における抗原特異性の確認、2)発症後の疾患に対する治療結果の解析、の2点につき検討を行った。 1)寛容機構における抗原特異性について ぶどう膜炎のモデルには、網膜特異抗原の1つであるIRBPを免疫したマウスを用い、寛容機構における抗原特異性の確認には他の網膜特異抗原であるS-antigenを用いた。マウスモデルではS-antigenを用いても観察可能なEAUの発症は得られなかったため、リンパ球を用いたin vitroの解析のみを行った。初回免疫時に抗IL-12抗体を腹腔内投与したグループでは、免疫抗原がIRBPであったもの、S-antigenであったものとも、これらに対する抗原特異的Th1細胞減少反応を示し、追加免疫された他の抗原に対しては有意な低下を示さなかった。抗IL-12抗体の寛容機構は同時に投与された抗原に対して特異的なものであると考えられた。 2)EAU発症後のマウスに対する抗IL-12抗体の治療効果について IRBPを免疫したマウスの眼底病変の有無を顕微鏡を用いて毎日観察し、EAU発症後に抗IL-12抗体を腹腔内投与した。同時に抗原を再免疫した。抗IL-12抗体を投与されたマウスは、非投与群と較べ、検眼鏡的にも組織学的にもEAUの重症化が抑えられる傾向が認められたが、統計学的な有意差は得られなかった。リンパ球を用いたin vitroの解析でも抑制性Th2細胞への著明な偏位はみられず、発症時に誘導された病原性Th1細胞は抗IL-12抗体投与によってもTh2細胞には変化しないものと考えられた。
|