1998 Fiscal Year Annual Research Report
抗Fas抗体眼内投与による実験的自己免疫性ぶどう膜網膜炎の発症期における抑制
Project/Area Number |
10770958
|
Research Institution | Tokyo Medical University |
Principal Investigator |
竹内 大 東京医科大学, 医学部, 助手 (40260939)
|
Keywords | Fas / 自己免疫病 / EAU / ぶどう膜炎 / IRBP |
Research Abstract |
網膜に存在する臓器特異的抗原、Interphotoreceptor retinoid-bindirlg protein(IRBP)を完全フロインドアジュバンド(CFA)とともにB10Aマウスに免疫すると、免疫後2週目より自己免疫性ぶどう膜網膜炎(Experimental autoimmune uveoretinitis;EAU)が発症する。今回我々は、Fas抗原を介して細胞死(apoptosis)を誘導する抗Fas抗体をIRBP免疫後3週目のB10Aマウスに投与し、そのIRBPに対するリンパ節T細胞増殖反応、lFN-γ合成能、およびEAU重症度について検討を行った。その結果、IRBP免疫後に抗Fas抗体を投与されたB10Aマウスでは、コントロール抗体を投与されたマウスに比べて、IRBPに対するT細胞増殖反応、およびlFN-γ合成能が著明に低下していることを認めた。また、組織学的検索により、EAUの重症度も明らかに軽症化していた。次に、IRBP免疫後5週目、抗体投与後2週目のB10Aマウスに、IRBPまたは卵白アルブミン(Ovalbumine;OVA)を再免疫し、その2週後にIRBPおよびOVAに対するT細胞増殖反応を検討したところ、OVAに対するT細胞増殖反応は、抗Fas抗体を投与されたマウス、コントロール抗体を投与されたマウス間で有意差はみられなかったが、IRBPに対するT細胞増殖反応は、コントロール抗体を投与されたマウスに比べて抗IRBP抗体を投与されたマウスにおいては有意に減弱していた。これらのことより、IRBP免疫後に活性化されたIRBP反応性T細胞が、抗Fas抗体投与により特異的にapoptosisに陥り、その結果EAUの抑制がみられたと考えられる。
|