1998 Fiscal Year Annual Research Report
口腔癌細胞の細胞増殖におよぼす細胞周期調節因子の影響に関する解析
Project/Area Number |
10770989
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
伊藤 玲子 大阪大学, 歯学部, 助手 (30283790)
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Keywords | 口腔癌 / 細胞周期調節因子 / サイトカイン |
Research Abstract |
1. 口腔癌における細胞周期調節因子の遺伝子異常 口腔癌培養株および手術材料における,種々の細胞周期調節因子の遺伝子発現について検討した。 (1) cyclinDおよびcyclnE 扁平上皮癌症例において,cyclinDおよびcyclinE mRNAの発現について検討した。cyclinDでは症例の約82%の症例,cyclinEでは約86%にそれぞれのmRNAの過剰発現が認められた。扁平上皮癌培養株6株においても同様の検索を行ったが,cyclinDでは6株中3株,cyclinEでは4株で同様の過剰発現が認められた。 (2) p16およびp27 扁平上皮癌・粘表皮癌および多形性腺腫において,p16およびp27蛋白の発現について検討した。p16に関しては,腫瘍組織および正常組織間で大きな差は認められなかったが,p27では明らかに,悪性腫瘍における発現が減弱していた。良性腫瘍では正常粘膜組織と同様の発現が認められた。 (3) p27とcyclinEの逆相関 p27蛋白の発現について検討した症例に関して,cyclinE蛋白の発現を検討したところ,有意に逆相関が観察された。 2. 細胞周期調節因子の発現に対する,サイトカインの影響 口腔癌培養株をサイトカインで処理し,種々の細胞周期調節因子の遺伝子発現について検討した。 (1) cyclinDおよびcyclinE 扁平上皮癌培養株6株をIL-1aおよびIL-6で処理し,その後のcyclinDおよびcyclinE mRNAの発現の変化について検討した。cyclinD mRNAの発現は,IL-1aにより増強されたが,IL-6では変化はなかった。cyclinE mRNAに関しては,無処理でcyclinE mRNAを発現していた細胞に関しては変化はなかった。しかし,無処理でcycylinE mRNAを発現していなかった2株について,IL-1a処理により,低レベルではあるがcyclinE mRNAの発現が誘導された。
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