1998 Fiscal Year Annual Research Report
歯肉線維芽細胞におけるP.gingivalis線毛のレセプターの同定と機能解析
Project/Area Number |
10770996
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Research Institution | Meikai University |
Principal Investigator |
竹下 玲 明海大学, 歯学部, 助手 (70236454)
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Keywords | P.gingivalis / 線毛 / サイトカイン / 付着 / レセプター / 歯周疾患 / 歯肉線維芽細胞 |
Research Abstract |
Porphyromonas gingivalis(P.gingivalis)は、歯周疾患の原因菌であることが示されている。近年、病原性細菌の発症と成立機構を考察するとき、その付着及び集落形成は、感染成立の初期段階として、重要であることが報告されている。また、この組織への付着機構には、線毛が、細菌の重要な構造物であることが明かにされている。ゆえに、P.gingivalisの線毛は本菌の感染と歯周疾患の成立において重要な構造物であると考えた。 私どもは、ここ十年来、この視点から、P.gingivalis線毛の生物活性を詳細に検討してきた。その結果、本菌の線毛は、マクロファージや歯肉線維芽細胞に付着し、その付着を介して種々の炎症性サイトカイン(IL-1、TNF並びにIL-6)を誘導する生物活性を有することを明かにした。 本疾患の成立を考えると、本菌線毛の結合能とサイトカイン誘導能は、歯肉線維芽細胞に関しても重要な役割を演じているものと考察した。 そこで、最近、種々の結合タンパク質を検索する為に用いられている遺伝子組み換え型融合タンパク質の系、即ちグルタチオンSトランスフェラーゼとP.gingivalis線毛の融合タンパク質を作成し、本菌線毛の細胞レセプターを検索することを企画した。 その遺伝子組み換え型融合タンパク質の作製過程において、この蛋白質が、大腸菌の不溶性画分に封入されるため、精製に困難を極めた。そこで、グルタチオンSトランスフェラーゼをTagとして、遺伝子組み換え型融合タンパク質を作製することを断念し、His-Tagとの融合タンパク質を作製することを、現在検討している。
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