1998 Fiscal Year Annual Research Report
骨芽細胞の分化を制御する新規EGFリピート分子のクローニングと機能解析
Project/Area Number |
10770998
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
手塚 建一 東京理科大学, 生命科学研究所・生命工学技術部門, 講師 (50236973)
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Keywords | 骨芽細胞 / 細胞接着因子 / cDNAクローニング |
Research Abstract |
骨芽細胞は、脂肪細胞、軟骨細胞、筋細胞などと共通の未分化な間葉系細胞から分化することが知られているが、細胞分化の振り分けや詳細な分化制御メカニズムについては明らかにされていない。近年、上皮成長因子(Epidermal Growth Factor,EGF)の繰り返し配列(EGF-リピート)を持つ分子群が細胞分化や組織形成の制御分子として注目されている。代表的な物としてショウジョウバエなどの無脊椎動物で最初に発見されたNotchとそのリガンド分子による分化振り分けメカニズムなどがある。最近では、脊椎動物でもNotchやそのリガンドが発見され注目を浴びている。さらに、Pref-1やDel-1と呼ばれる比較的小型のEGF-リピート分子がそれぞれ脂肪細胞、血管内皮細胞の分化を抑制することが報告された。 我々は、これらのEGF-リピート構造に共通に見られる配列から作製されたDegeneratedprimerセット(キリンビール、宮谷精二先生より供与)を利用して、骨芽細胞様細胞株MC3T3-E1細胞から新規のEGF-リピート分子、OB-9のクローニングに成功した。 その一次構造から、OB-9は5つのEGFドメインを持つ分泌タンパク質であることが予想された。EGF-リピートの下流にはプロリンに富んだドメインとRGD細胞接着配列が存在し、細胞接着因子である可能性も示唆された。 そこで、大腸菌を使い、RGD配列を含む部分のリコンビナントタンパク質を作製したところ、MC3T3-E1細胞に対する細胞接着活性を確認することができた。今後、EGF-リピート部分についても機能解析を進める予定である。
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