1998 Fiscal Year Annual Research Report
咀嚼運動を制御する神経回路の研究・特に免疫組織化学と分子組織化学を用いた研究
Project/Area Number |
10771005
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Research Institution | Kanagawa Dental College |
Principal Investigator |
田村 妥江子 神奈川歯科大学, 歯学部, 助手 (80267509)
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Keywords | 三叉神経運動核 / 神経回路 / 神経伝達物質 / ラット |
Research Abstract |
ラットの三叉神経運動核に分布する神経線維のうちグルタミン酸作動性の神経終末について、免疫組織化学法を用いて解析した。 実験にはWistar系ラット19匹を用いた。実験動物を深麻酔後に2.0%パラフォルムアルデヒドと0.25%グルタールアルデヒドの混合溶液にて灌流固定を施した。脳を摘出の後に脳幹部において熱さ30μmの凍結切片を作製し、間接蛍光法を用いて免疫組織化学的にグルタミン酸様免疫活性を示す神経終末をFITCにより標識し、蛍光顕微鏡下に観察した。隣接するNissl染色切片を対比させつつ、投影顕微鏡を用いてスケッチ・観察した。 解剖学的に定義される三叉神経運動核の周囲に存在する橋の小細胞性網様体には、グルタミン酸免疫陽性の神経細胞が少数、そして同免疫陽性の神経終末が少数観察された。これに対して、三叉神経運動核の内部においてはグルタミン酸免疫陽性の神経終末が、その神経細胞体と近位の樹状突起に接して極く少数、認められるに過ぎなかった。一方、三叉神経主感覚核では同免疫陽性の神経細胞と神経線維が多数、観察された。 以上の結果により、従来逆行性軸索輸送法を用いて同定された三叉神経運動核に対する前運動ニューロンpremotor neuronの多くは、少なくても三叉神経運動ニューロンの細胞体あるいは近位樹状突起には終止せず、同運動核外に伸ばしている遠位樹状突起に単シナプス性に結合することが示唆された。今後、このニューロン結合について電顕的にも証明する必要があるものと思われる。
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Research Products
(1 results)