1999 Fiscal Year Annual Research Report
P.gingivalis短線毛の遺伝子クローニングとその機能に関する研究
Project/Area Number |
10771006
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Research Institution | Kanagawa Dental College |
Principal Investigator |
浜田 信城 神奈川歯科大学, 歯学部, 助手 (20247315)
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Keywords | (1)Porphyromonas gingivalis / (2)線毛 |
Research Abstract |
歯周炎の原因菌とされているPorphyromonas gingivalisの菌体表層には、線状構造物である線毛(fimbriae)が存在している。申請者は、線毛遺伝子を不活化することにより主要構成タンパク質(fimbrillin,FimA)である41kDaタンパク質を発現しない変異株(fimA mutant)を作製し、電子顕微鏡観察を行ったところ、親株に存在する長い線毛構造物の消失が確認されるとともに41kDa線毛と比較すると細く、短い線毛構造物の存在が認められた。 分離した短線毛のSDS-PAGEによる推定分子量は67kDaで、Western blotting法において41kDa線毛タンパク質とは抗原性が異なっていた。また、Immunogold法により本67kDa線毛は、fimA mutantだけでなく親株にも存在することが明らかになった。尚、N-末端アミノ酸配列から、この線毛は従来、膜タンパク質として報告されているものと同一であることが判明した。 さらに、T7プロモーターを用いた大腸菌の系でタンパク質発現を行った結果、クローニングされたDNA断片上に67kDa線毛タンパク質をコードする遺伝子の存在が確認された。 以上の結果からPorphyromonas gingivalisの菌体表層には、2種類の線毛が発現していることが明らかになった。今後、本遺伝子を不活化することにより、67kDa線毛を発現しない変異株を作製し、歯周炎における67kDa線毛の役割および41kDa線毛との係わりを明らかにする予定である。
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