1998 Fiscal Year Annual Research Report
1型単純ヘルペスウイルスによるアポトーシス抑制機構の解析
Project/Area Number |
10771015
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
三輪 佳宏 筑波大学, 基礎医学系, 講師 (70263845)
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Keywords | Epstein-Barr ウイルス |
Research Abstract |
様々な長さのDNA断片を組み込みライブラリーを作成するためには、ベクターのサイズは小さいほど望ましい。そこで、これまでに報告のあるEBVベクターよりサイズを小さくするために、複製開始領域であるoriPに様々な部分欠失を導入し、機能解析を行った。 その結果、OriP領域の、1)中央部の欠失は、EBVベクターの機能にほとんど影響していなかった。2)Family of repeatの外側の欠失は、マーカー遺伝子を発現する細胞の割合には影響しないが、G-418耐性細胞の出現頻度およびEBNA-1の発現量は低下した。3)dyad symmetryの外側の欠失によりEBVベクターの機能は完全に失われた。 以上の結果に基づき、EBVベクターOriP領域の中央部およびFamily of repeatの外側を欠失させることにより943bpサイズを縮小したminimum OriPを構築できた。これにより、市販のEBVベクターか10kb以上であるのに対し、我々のベクターは8.5kbとすることができた。更に、この縮小ベクターにテトラサイクリンによって調節が可能な発現ユニットを組み込み、細胞に毒性をもつ遺伝子を1種類のベクターとして導入するだけで、調節性に細胞に導入・発現できるプラスミドベクター、pOS-Tetの構築を試みた。その結果、テトラサイクリンを除いた場合には、添加時と比較して10倍以上のマーカー遺伝子の発現が見られた。また細胞からのプラスミドDNAの回収も可能であった。現在、実際に発現させるだけで細胞にアポトーシスを誘導できるようなcDNAを細胞に導入可能かどうかについて検討中である。
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