1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10771030
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
川口 真一 徳島大学, 歯学部・附属病院, 助手 (50284302)
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Keywords | パノラマX線写真 / 視覚評価 / オルソシステム |
Research Abstract |
平成10,11年度の科学研究費に基づく研究概要は以下のとおりである。 本研究の目的は,グリーン発光増感紙とオルソフィルムを使ったパノラマX線写真の性能評価を行い,最適なスクリーンとフィルムの組み合わせを見つけることにあった。 研究内容は,以下の3点に大別される。1)物理的性能評価,2)ファントムを撮影した画像の視覚評価,そして3)ボランティアを撮影した画像の視覚評価である。尚,比較したのは増感紙HG-M_2(化成オプトニクス)と,それぞれオルソフィルムUR-2(Fuji),_<SR>ES-G(Konica)およびIn Sight951(Kodak)の組み合わせ,対照として増感紙PM-III(化成オプトニクス)とレギュラーフィルムNew A(Konica)の合計4種類のシステムである。撮影に使用したのは,パノラマX線撮影装置AZ3000(朝日レントゲン工業)である。 その結果, 1)特性曲線から,New Aはどのオルソフィルムよりも相対的に感度が低かった。またIn Sight951およびUR-2は,低濃度域のコントラストが大きく_<SR>ES-Gのそれはそれらよりもわずかに小さかった。 2)高濃度域,中濃度域および低濃度域を代表する4部位と画像全体について総合評価を行った。分散分析からすべての観察部位と総合評価でフィルム間に差を認めた(P<0.01)。また,総合評価ではFisherのPLSDによりIn Sight951およびUR-2の評価が高く,_<SR>ES-Gがそれに続きNew Aの評価は低かった。さらに,各観察部位についてもオルソフィルムの評価が高かった。 3)歯および歯周組織,上顎洞,下顎頭ならびに下顎骨の骨梁に加えて全体像について評価した。分散分析からすべての観察部位と総合評価でフィルム間に差を認めた(P<0.01)。各観察部位でもっとも評価が高かったのはオルソフィルムのうちのいずれかであった。また,総合評価ではIn Sight951の評価が高く,_<SR>ES-GとUR-2がそれに続きNew Aの評価は低かった。 以上,観察部位によっては3種類のオルソフィルム内で評価順位にばらつきあるいは逆転が認められたが,オルソフィルムはいずれもNew Aに比べて評価が高かった。 研究結果の詳細は,裏面の別掲のように報告している。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 川口 真一: "パノラマX線画像の視覚評価に関する基礎的検討"四国歯学会雑誌. 11巻2号. 253-262 (1999)
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[Publications] 坂野 啓一: "新オルソシステムを用いたパノラマX線画像の視覚評価"歯科放射線. 37巻増刊号. 80 (1997)
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[Publications] 下村 学: "パノラマX線撮影装置を利用した顎関節撮影法 第一報 下顎頭間距離について"歯科放射線. 37巻1号. 35-40 (1997)
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[Publications] Shin-ichi Kawaguchi: "Temporomandibular joint radiography using rotational panoramic unit:An investigation on image layer thickness"DENTO MAXILLO FACIAL RADIOLOGY. (印刷中).
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[Publications] 川口 真一: "下顎頭形態のコンピューター解析 I.乾燥頭蓋骨によるオトガイー頭頂X線写真の検討"歯科放射線. 37巻1号. 95 (1997)