1998 Fiscal Year Annual Research Report
アルカリフォスファテース遺伝子導入による培養歯髄細胞の硬組織形成能
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10771050
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
大原 直子 長崎大学, 歯学部, 助手 (80301365)
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Keywords | 歯髄細胞 / アルカリファスファテース / GFP / 遺伝子組換え / 石灰化 |
Research Abstract |
本年度は、以下の3点について実験を行い、基礎的データを得た。 1, 培養歯髄細胞の継代による変化に関する検討:継代50代を越えた歯髄細胞(RPC-K細胞)のアルカリフォスファテースの活性を測定したところ、培養14日目をピークに減少した。また、そのピーク値は、継代10代までの早期のものと比較するとはるかに低い値を示し、長期間の培養により著しく活性が低下した状態となっていることが明らかとなった。 2, アルカリフォスファテース遺伝子のクローニング:RPC-K細胞よりmRNAを抽出後、オリゴdTプライマーによりcDNAを調製した。また、データベース登録配列をもとに、PCRプライマーを設計し、期待される約1500bpのDNA断片を得た。この断片の塩基配列の確認を行うとともに、発現ベクター(pEGFP-N1)に挿入する予定である。 3, 遺伝子導入システムの確立:予備実験として、遺伝子の導入効率がよく、in vivoへも応用可能なエレクトロポーレーション法の可能性を検討した。RPC-K細胞を培養皿でほぼコンフルエントになるまで培養し、今回はポジティブコントロールとしてpEGFP-N1を添加した後、皿電極にてエレクトロポーレーションを行った。pEGFP-N1は、ネオマイシン(G-418)耐性遺伝子をもち、グリーンフルオレッセントプロテイン(GFP)と目的の遺伝子を融合蛋白質として発現させることが可能である。エレクトロポーレーション2日後にGFPの発現を蛍光顕微鏡で観察した。トリプシン-EDTAで細胞を剥離した後1:20の割合で細胞を播種した。12〜16時間後、G-418を培地に400mg/mlの割合で添加し、細胞のセレクションを行った。4日毎に培地を交換し、約1週間後GFP発現細胞のクローニングを行うことが可能となった。
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