1998 Fiscal Year Annual Research Report
波長9.3μmCO_2レーザーによる歯質への影響と効果そして窩洞形成への応用
Project/Area Number |
10771056
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
高橋 啓子 昭和大学, 歯学部, 助手 (40286852)
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Keywords | 9.3μm CO_2レーザー / 歯質 / 健全エナメル質 / 健全象牙質 / エナメル質齲蝕 / 齲蝕歯質 / Ca / P |
Research Abstract |
今年度は基礎的実験として、抜去歯を用いて波長9.3μmCO_2レーザーの歯質に及ぼす影響を形態学的にまた、エネルギー分散型X線分析装置を使用し、含有元素の定量を行い、齲蝕の除去、歯の切削への応用の可能性を検討した。走査型電子顕微鏡による検討結果からエナメル質よりも象牙質の方がレーザーに対する感受性が高く、スメアー層やデプリスが除去される事が明確になった。また、エネルギー分散型X線分析装置を用いた検討結果から、健全または齲蝕に関係なくレーザー照射後の方が、CaとPの値が高く、特に、象牙質の方がエナメル質よりも著明である事が判明した。これは、有機質の相違によると考えられる。また、健全エナメル質のコントロールとエナメル質齲蝕を20ppsの条件で照射した後では、有意差はなく、同様に象牙質においても同じ結果を示した事から、レーザー照射により、齲蝕歯質の組成が変化し、健全な歯質の組成に近い値を示したものと判断する事ができた。以上の結果から、波長9、3μmCO_2レーザーで齲蝕歯質を除去できる可能性を示唆した。
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