1998 Fiscal Year Annual Research Report
光線透過型付形子(圧接子)が光硬化型修復材の表面物性および歯質接着性に及ぼす影響
Project/Area Number |
10771057
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
岩崎 圭祐 日本大学, 歯学部, 助手 (00291708)
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Keywords | 光線透過型付形子 / 光硬化型修復物 / 光強度 / 物性 |
Research Abstract |
臨床に多用されている光線透過型付形子が光硬化型修復物の表面物性および歯質接着性におよぼす影響を検討する研究の一環として、今年度はこれら修復物のヌープ硬さ試験、ブラシ摩耗試験および着色量の測定を行った。用いた材料は、光線透過型付形子として、照射光線の光強度を低下させずかつ酸素透過量がわずかであるとされるエチレン-ビニルアルコール共重合体のEvalを、光重合型レジンとしては、Bis-GMA系のクリアフィルAP-Xである。照射器は光強度を100mW/cm2から800mW/cm2まで100mW/cm2毎の8段階に調整して用いた。 1.ヌープ硬さ試験 光強度の低下にともなって硬化物表面のヌープ硬さは低下する傾向が認められた。また、800mW/cm2を基準とすると、400mW/cm2以下の光強度で硬化させた光重合型レジンとの間には有意差があり、ヌープ硬さ曲線は600mW/cm2以降でプラトーに達した。 2.ブラシ摩耗試験 ブラシ摩耗1万回後の摩耗率は光強度の低下に伴って増加する傾向が認められた。また、摩耗率-光強度曲線は光強度の増加に伴って摩耗率が低下して一定となる傾向を示した。 3.着色量の測定 0.1%オイルオレンジ溶液に3日間浸漬後の着色量(△E)は、光強度が減衰するのにともなって、着色度は増加する傾向を示した。また、500mW/cm2以下の光強度で硬化させた試片は、800mW/cm2で硬化させたものの着色度と有意差を認め、着色度-光強度曲線は、光強度の増加に伴って着色度が低下し一定となる傾向を示した。
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