1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10771061
|
Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
林 誠 日本大学, 歯学部, 助手 (00301557)
|
Keywords | テロメラーゼ / テロメア配列 / 根尖性歯周炎 / Ki67 / 細胞浸潤 / 細胞分裂 / TRAP assay / PCR-ELISA |
Research Abstract |
染色体の末端部に存在するテロメア配列を伸張するテロメラーゼの活性は、癌細胞に限らず活性化リンパ球にもその発現が認められ、免疫応答との関与が推測されている。また、根尖性歯周炎にはリンパ球を中心とした細胞浸潤が存在し、病変成立に重要な役割を担っている。そこで本研究では根尖性歯周炎の病態解析を目的とし、歯周炎局所のテロメラーゼ活性の検索、同時に病理ならびに免疫組織学的検索を計画した。 今年度は難治性根尖性歯周炎と診断され、外科的処置の適応となった歯から根尖病巣を摘出し、病理組織学的診断ならびにKi67に対する抗体を使用した免疫染色を行った。また、組織抽出液を調整しテロメラーゼ活性の検出、定量も試み、以下の結果を得た。 1.難治性根尖性歯周炎患者10名から摘出した根尖病巣はHE染色による病理組織学的診断の結果、全て歯根肉芽肺であった。 2.上記の根尖病巣をKi67に対する抗体で免疫染色を行うと、病巣内に存在する一部の浸潤細胞と線維芽細胞が陽性反応を示した。 3.テロメラーゼ活性検出のため、上記の根尖病巣より得られた抽出液を使用したTRAPassayでは、全ての症例が陽性であった。 4.確認されたテロメラーゼ活性をPCR-ELISAで定量すると、症例により活性状態が異なっていた。 来年度は以上の結果をふまえながら症例を重ね、ヒト末梢血リンパ球と比較しながら、歯周炎局所の本酵素の活性状態を把握し、病態をさらに解析する予定である。
|