1999 Fiscal Year Annual Research Report
水酸化カルシウムの歯内療法領域に関する細菌学的研究
Project/Area Number |
10771068
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Research Institution | Aichi Gakuin University |
Principal Investigator |
鈴木 一吉 愛知学院大学, 歯学部, 助手 (80281468)
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Keywords | 水酸化カルシウム / 最小発育阻止濃度 / 感受性測定用培地 |
Research Abstract |
感染根管から分離される細菌に対する水酸化カルシウムの最小発育阻止濃度の測定およびその時の培地のpH測定を行った。さらに水酸基およびカルシウムイオンに関するコントロール実験を試みた。 1.感受性測定用培地の検討 平成10年度の実験において、細菌の水酸化カルシウムに対する感受性の測定には希釈法が適している事が明らかになった。さらに培地の水酸化カルシウム濃度は0%から10%が適当である事が明らかになった。 2.水酸化カルシウムの根管内分離細菌に対する最小発育阻止濃度及びpHの測定 感染根管内から分離した細菌(A.israelii、B.bifidum、E.lentun、F.nucleatum、P.mugnus、P,niger、P.anaerobius、P.endodontalis、P.gingivalis、P.intermedia、V.alcalesceus、V.parvula、A.viscosus、E.faecalis、L.acidophilus、P.acues、L.casei、S.mutans、S.sanguis、Candida albicans)に対する水酸化カルシウムの最小発育阻止濃度の測定を行った。この結果、水酸化カルシウム濃度が5.0%を超えると細菌は発育しなかった。使用した細菌の中で最も抵抗性のある菌は、E.faecalisで、本菌に対する水酸化カルシウムの最小発育阻止濃度は5.0%、その時の培地pHは、培養前が約11.6で培養後は11.0であった。根尖性歯周炎の原因菌であるP.endodontalisは、0.156%と高い感受性を示した。 3.水酸基およびカルシウムイオンに関するコントロール実験を試みたが、培地が変性し実験に適した条件を得ることができなかった。
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