1998 Fiscal Year Annual Research Report
スプリント装着時間が顎関節症の治癒経過に及ぼす影響
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10771073
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
榎戸 明広 東北大学, 歯学部, 助手 (80282119)
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Keywords | 顎関節症 / スプリント療法 / 装着時間 / 治療経過 |
Research Abstract |
顎関節症の治療を目的としたスプリント療法は,現在広く行われている.しかし,スプリントの装着時間は多様であり,統一的見解が得られていない.これは装着時間の違いが顎関節症患者の治療において臨床症状の消失にどのような影響を及ぼすか明らかにされていないことによる. そこで本研究は,スプリント療法の適用と判断された顎関節症患者の装着時間および時間帯を変えて治療を行い、治療に伴う各臨床症状の変化を検索し,スプリント装着時間が顎関節症の治癒経過に及ぼす影響を明らかにすることを目的とし,本年度は,主に終日および夜間のみのスプリントの装着に関して,スプリント装着時間の違いによる各臨床症状の平均治癒期間と消失過程に関する検索を行った結果,以下のことが明らかになった. 終日のスプリントの装着における主要症状の消失過程に関しては,自発痛,咀嚼痛,開口痛,開口制限,顎関節雑音の順で平均治癒期間が短かった.また,触診による各部位の圧痛の消失過程に関しては,側頭筋中後部,側頭筋前部,外側翼突筋部,顎関節部,胸鎖乳突筋,咬筋深部,内側翼突筋,咬筋浅部,顎二腹筋後腹の順で平均治癒期間が短かった.夜間のみのスプリントの装着においても同様の傾向がみられたが,各臨床症状の消失順位および平均治癒期間に若干の違いがある可能性も示唆された. 今後は,被験者の数を増やすとともに,さらに臨床症状の発現時間帯等との相互関係の検索を行う予定である.
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