1999 Fiscal Year Annual Research Report
高齢者の口腔ケア・義歯ケアの再検討 その1 義歯洗浄剤の再検討
Project/Area Number |
10771085
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
永尾 寛 徳島大学, 歯学部, 助手 (30227988)
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Keywords | 口腔ケア / 義歯洗浄剤 / デンチャープラーク / デイリーケア / 嚥下性肺炎 / 義歯安定剤 |
Research Abstract |
高齢者の死亡原因の第一位は肺炎であり,とくに嚥下性肺炎の占める割合が高い.口腔ケアを徹底することが,嚥下性肺炎の予防には不可欠なものであり,また,デンチャープラークによる嚥下性肺炎を予防するためにも,義歯洗浄剤により義歯の清掃などの,義歯装着者自身のテイリーケアはたいへん重要なことである. 現在市販されている義歯洗浄剤は,洗浄効果は高いが義歯材料に対する為害作用があるものや,義歯材料に対する為害作用はないが洗浄効果が低いものがほとんどである.この研究では,義歯材料を劣化させず,義歯洗浄効果の高い義歯洗浄剤を開発することを目的とし,また,強電解水の義歯洗浄効果についてもあわせて検討することとした. 昨年度の調査では,市販義歯洗浄剤,強電解水の除菌効果,義歯安定剤以外の義歯用材料への為害性に関しては、過去の報告と同様で,歯科用金属に対する腐食作用のあるものが多く認められた.義歯洗浄剤による市販ペーストタイプ義歯安定剤への影響は,義歯洗浄剤の種類,また,義歯安定剤の種類によって差が認められた. 本年度は,この結果をもとに新しい義歯洗浄剤を試作することとした.試作品の条件として,(1)歯科用金属に対する腐食作用がないか,もしくは可及的に小さいこと.(2)除菌効果があること,とした.試作品は(1)強電解酸性水,(2)天然成分を含んだもの,(3)市販の洗浄剤の濃度を変えて超音波洗浄と併用したもの,を作製し,前年度と同様の方法で義歯洗浄効果,義歯用材料への為害性試験をおこなった.しかし,腐食作用を小さくすることによって除菌効果も小さくなるという結果となった. 現在,新しい試作品を検討中である.
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