1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10771088
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
松山 美和 九州大学, 歯学部, 助手 (30253462)
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Keywords | 口腔機能 / 顎顔面補綴 / 客観的評価 / 機能評価 |
Research Abstract |
顎顔面補綴治療学において、顎義歯装着患者の主観的評価や、形態、機能検査などの客観的評価が注目されている。しかし現在、総合的な客観的評価法は確立されておらず、顎顔面補綴治療のゴールは未だ漠然としている。そこで本研究は、顎顔面補綴装置装着前後に各種形態評価および機能評価を行い、顎顔面補綴装置による形態的、機能的改善度の基礎データを収集し、評価方法を確立することを目的とした。 前年度は各種機能評価項目を設定し、上顎骨欠損患者14名を対象に機能検査を行った結果、今回独自に設定した客観的評価法は顎顔面補綴装置による機能改善の評価や、治療ゴールの設定に有用であることが示唆された。 今年度は、前年度既報の顎義歯の機能改善度について、評価法の一部を改善し、対象被験者数を16名に増し、さらに総義歯装着患者11名をコントロールとして加え、比較検討を行った。機能検査は.咀嚼機能は咀嚼スコアと咬合力検査、嚥下機能は水飲みテスト、発普、構音機能は発語明瞭度検査、単語明瞭度検査、関鼻声検査とブローイング・テストを行い,以下の結果を得た。 1.嚥下機能評価では、規定量を変化させた水飲みテストでは顕著な改善はみられなかった。 2.発音・構音機能評価では、顎義歯未装着時,上顎骨欠損患者の発語明瞭度、単語明瞭度およびNasalanceScoreは、いづれも、総義歯未装着患者に有意に劣っていた。しかし,顎義歯装着により、総義歯装着患者との間には有意差がなくなった。つまり、上顎骨欠損患者の発音・構音機能は、顎義歯装着により総義歯装着患者程度に改善することが明らかになった。また、総義歯装着患者のデータを応用できる可能性が示唆された。 以上より、今年度改善を加えた多面的機能評価法が有用であることが示唆された。
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Research Products
(1 results)