1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10771090
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
梶原 浩忠 鹿児島大学, 歯学部, 助手 (20274855)
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Keywords | 接着耐久性試験 / 熱サイクル試験 / 接着面積 / マスキングテープ / 圧縮剪断試験 / 接着試験片 / ハンドル / レジンセメント |
Research Abstract |
患者の補綴物に接着試験片を組み込むことで臨床に直結した接着耐久性試験を行うことを目的とする.そこで,接着試験片に最も適した形態および接着面積を決定しなければならない.しかし,口腔内という限られた条件下で理想的な試験片は装着できない可能性もある.そのため,試験片が接着耐久性試験の結果にどのような影響を及ぼしているのかを明らかにする必要がある.そこで,口腔内に接着試験片装着するに先立ち,試験片の形態が接着耐久性試験の結果に与える影響について調べた.接着部分の形態の規制は,ハンドルの被着端面の形態で行う3種類の方法と,マスキングテープ法で行う2種類の方法の総計5種類で行った.ハンドルの被着端面の形態で規制する場合は,端面が直径3.0mm,5.0mmの円形および,各辺が4.4mmの正方形のものを使用した.また,マスキングテープ法では,アルミニウム蒸着テープを10mm角に切断したものに,直径3.0mmおよび5.0mmの穴をあけて使用した. 接着は3種類の金属接着システムで行い,熱サイクルを最大50,000回まで与えてから,圧縮剪断法で接着強さを測定した.その結果より,得られた結論を以下に示す. 1. 試験片の形態や接着部分の規制方法などの違いが接着耐久性に及ぼす影響は,接着システムの違いに関係なく,ほぼ同様に現われた.コンポジット系のレジンセメントで接着した接着部分が正方形の試験片では,熱サイクル試験の有無に関わらず,他の形態の試験片よりも低い接着強さとなった. 2. ハンドル端面の形状で接着面積を規制した試験片における,熱サイクル試験後の接着強さは,直径5.0mmの円形の場合の方が,直径3.0mmの場合よりも高い値となった. 3. マスキングテープを使用して接着面積を規制した試験片における熱サイクル試験後の接着強さは,ハンドル端面の形状で接着面積を規制した場合よりも高い値となった.
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