1998 Fiscal Year Annual Research Report
卵巣摘出によるラット歯根膜腔内の破骨細胞様細胞群の変化
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10771091
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
川本 真一郎 鹿児島大学, 歯学部, 助手 (70295260)
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Keywords | 歯根膜 / エストロゲン欠乏 / 破骨細胞 |
Research Abstract |
9週齢の雌性Wistarラットを3グループに分け、以下に示すような処置を施した。 (group 1) OVX+E_2;卵巣摘出術(OVX)を行うと同時に、17βエストラジオール(E_2)を一定濃度で徐放する浸透圧ポンプを背側皮下に埋入した。 (group 2) OVX+vehicle;OVX後、E_2の希釈に用いる溶媒のみをポンプにより投与した。 (group 3) Sham+vehicle;OVXの偽手術を行い、溶媒のみを投与した。 各群の動物を、それぞれの手術の1週間後あるいは2週間後にリン酸緩衝ホルマリン(中性)で灌流固定した。下顎骨ならびに脛骨を採取し、10%EDTAにて脱灰した後、水溶性樹脂(JB-4,Polysciences)に包埋し、低温重合した,下顎骨については、第一臼歯近心根の歯冠から根尖までを含む頬舌面、脛骨については、矢状面がそれぞれ得られるように、各試料の薄切を行った。薄切は、ガラスナイフを装着した樹脂包埋標本用のミクロトームを用いて、約4μmの厚さで行った。得られた切片について破骨細胞系の細胞を同定するため、Coleらの方法に従って、酒石酸抵抗性酸フォスファターゼ(TRAPase)染色を行い、光学顕微鏡下で歯根膜腔と脛骨海綿骨部におけるTRAPase陽性細胞の観察を行った。樹脂切片作成とTRAPase染色については、新潟大学口腔解剖学(1)にて予備実験を行い、手技を確認した。 現在、TRAPase陽性細胞数の計測を進めている。今後は、各群とも動物を経時的にサンプリングして、経時的なデータを採取する予定である。 尚、当初の計画より実験の遂行が遅れているのは、樹脂切片作成のテクニックの習得とTRAPase染色の最適なプロトコールの確立に時間を要したためである。
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