1998 Fiscal Year Annual Research Report
FUZZY理論を応用した総義歯装着者の咀嚼能力判定試験
Project/Area Number |
10771113
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Research Institution | Fukuoka Dental College |
Principal Investigator |
小柳 進祐 福岡歯科大学, 歯学部, 助手 (00269036)
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Keywords | FUZZY / 咀嚼能力 / 咀嚼能率 / 咀嚼能率判定試験 / アンケート / メンバーシップ関数 |
Research Abstract |
咀嚼能力判定法は、比較的客観的評価が得られやすい反面、咀嚼能力判定試験の手間が煩雑であり、また判定までの時間を要することからチェアーサイドで行われていないのが現状である。それに代わる方法として、アンケートを用い、それを集計して咀嚼能力判定を行う方法があるが、この方法で得られた結果は、患者の主観性に左右されていることが多く、判定結果としては客観性に乏しいと考えられる。一方、FUZZY理論は、結果から主観性を排除する目的で、様々な分野に応用されている。そこで、アンケートを用いた咀嚼能力判定にこの理論を応用すれば、判定結果に客観性を持たせることが可能になるのではないかと考え、この研究を行った まず、システムの構築に先立ち、アンケート用紙の作成を行った。総義歯装着者が、摂食しにくい食品を2品目、やや摂食しにくい食品を2品目、摂食可能な食品を2品目、やや摂食しやすい食品を2品目、摂食しやすい食品を2品目を任意に選択し、これらを用いたアンケートを、加入の総義歯装着者に対し行った。また、実際の咀嚼能率をSTTIを用いて測定した。これらのデーターを用いて、アンケートに用いる食品数を減らす目的に、実際の咀嚼能率を目的変数、アンケート結果を説明変数に用いた重回帰分析を行い、5品目を選択した。次に、これらの5品目を用いて、「if〜、then〜」ルールの作成を行った。前件部は、「摂食しにくい」「やや摂食しにくい」「摂食できる」「やや摂食しゃすい」「摂食しやすい」の5段階評価とした。また、後件部も、「よく噛めている」「やや噛めている」「噛めている」「やや噛めていない」「噛めていない」の5段階評価とし、「摂食しにくい」と「やや摂食しにくい」および「やや摂食しやすい」「摂食しやすい」は多重推論形式を用いて、また「摂食できる」は単独の推論形式を用いたルールを作成した。前件部のメンバーシップ関数は、「摂食できる」範囲を台形で表し、その他は、任意の三角形を対応させて、互いがグレード0.5で交わるように設定した後件部は、100点のスケールを5分割して、三角形のメンバーシップ関数で表現した。 現在、ここまで開発を行っているが、このプログラムで得られた咀嚼能率と実際の咀嚼能率の相関性を高めるためのシステムの調整が必要であり、症例数を増やし、完成させる予定である。
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