ベンゾジアゼビン系薬剤の効果に影響を与える因子について-receptor binding assayとストレスホルモンからの解析

1998 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 10771129
• Research Institution: Okayama University
• Principal Investigator: 前田 茂 岡山大学, 歯学部・附属病院, 助手 (50253000)
• Keywords: ベンゾジアゼピン受容体 / ミダゾラム / 平衡機能 / コルチゾール / ACTH

Research Abstract

1. インフォームドコンセントの得られた健康成人男子10名を対象とした。午前9時にボランティア一人につき15mlずつ採血した。
・末梢血リンパ球(T細胞)の受容体数Bmaxと解離定数Kdの解析
1) EDTA処理した末梢血から,遠心分離と磁気ビーズによって,T細胞を分離精製した。
2) 特異的PBRリガンドの[^3H]PK11195(37MBq/ml)(NEN)を用いて結合実験を行った。
3) スキャッチャード解析により,T細胞の受容体数Bmaxと解離定数Kdを求めた。
2. ミダゾラム0.075mg/kg投与し,1時間後まで鎮静程度と平衡機能を検査した。投与から30分後と60分後の時点で採血し,投与前の採血と併せて,コルチゾール測定用キット(日本DPC社製)とACTH測定用キット(ユカメディアス社製)を用い血漿コルチゾール,およびACTH濃度をラジオイムノアッセイ法で測定した。
3. それぞれの結果の相関を調べた。
以下の結果が得られた。
・リンパ球上のPBRでは解離定数が小さな症例ほどミダゾラムの効果が弱いという関係が認められた。
・受容体数はミダゾラムの臨床効果との間に相関関係は認められなかった。
・コルチゾール濃度はいずれの結果も正常範囲内であったが,ミダゾラム投与前と比較して30分後60分後のいずれの時点でも有意に低下していた。ミダゾラムの臨床効果との相関は認められなかった。
・ACTH濃度はいずれの結果も正常範囲内であったが,ミダゾラム投与前と比較して30分後の時点で有意に低下していた。ミダゾラムの臨床効果との相関は認められなかった。