1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10771136
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
栢原 浩彰 愛媛大学, 医学部・付属病院, 助手 (50263942)
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Keywords | loss of heterozygosity / 3p / oral cancer / squamous cell carcinoma |
Research Abstract |
癌抑制遺伝子の機能不活化においては、染色体の部分欠失によるヘテロ接合性の消失(loss of heterozygosity;LOH)が重要な役割を果たすことから、LOHの存在する領域は癌抑制遺伝子の存在することを示唆する。平成10年度は口腔扁平上皮癌37例を対象として、3p領域(3pter-14.2)上で10個のmicrosatellite markerを用いてLOHを検索し、臨床病理学的因子との関連や予後との相関を検討した。腫瘍DNAは未治療の生検標本(ホルマリン固定、パラフィン包埋)から、正常コントロールは末梢血リンパ球からフェノール抽出しエタノール沈殿にて回収する方法を用いた。目的のDNAはPCRを用いて増幅し、6%ポリアクリルアミドゲル電気泳動を行いエチジウムブロマイド染色にて結果を得た。 37例中26例(70%)に1個以上のLOHが確認された。また3例にmicrosatellite instability(MI)がみられた。各マーカーごとに示すと、D3S2450(3pter-p24.2)はinformative case(heterozygote)であったもの22例中13例(59%)にLOHを認め、D3S1516(3p25-p24.2)は22例中11例(50%)、D3S1539(3pter-p24.2)は23例中2例(9%)、D3S1537(3p24.2-p22)は26例中6例(23%)、D3S2411(3p24.2-p22)は12例中6例(50%)、D3S2414(3p24.2-p22)は20例中3例(15%)、 D3S2447(3p24.2-p22)は25例中9例(36%)、D3S2420(3p21.3-p24.2)は22例中7例(32%)、D3S1514(3p21.1-p14.2)は25例中10例(40%)、D3S1540 (3p21.1-p14.2)は23例中11例(48%)に確認された。高頻度にLOHのみられる3p領域はD3S2450やD3S1516の3p25-p24.2、D3S2411の3p24.2-p22、D3S1540の 3p21.1-p14.2の3ヶ所であり、この領域に癌抑制遺伝子の存在が示唆された。
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