1998 Fiscal Year Annual Research Report
口腔癌のアポトーシス回避のメカニズム解明,その応用による遺伝子治療の検討
Project/Area Number |
10771137
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
利谷 幸治 九州大学, 歯学部, 助手 (60284519)
|
Keywords | BCl-2 / Bax / アポトーシス / 口腔B扁平皮癌 / 骨肉腫 / p53 |
Research Abstract |
本年度はまず口腔扁平上皮癌及び骨内腫の手術摘出標本より、健常部組織及び腫瘍組織、さらに同患者の末梢血よりDNAを抽出し、アポトーシス誘導に深く関与しているとされるp53遺伝子、またBCl-2関連遺伝子であるがBCl-2とは逆の作用をもつBax遺伝子について、それぞれの腫瘍組織に遺伝子異常があるか否か検索を行った。PCRにて増幅した各々の遺伝子をSSCP法により正常組織、末梢血DNAと比較することで異常の有無について判定した。結果はp53遺伝子異常は約30%存在するのに対し、Bax遺伝子異常は0%であった。そこで扁平上皮癌症例におけるBCl-2蛋白の発現を免疫組織学的に検索を行った。こちらもBCl-2の発現は25%程と低値であり、さらに術前療法として行った化学、放射線療法に対し抵抗性を示した症例にしぼってBCl-2の発現を検討したが、やはりほぼ同率の20%程と低値にとどまった。これらの結果によりBCl-2関連蛋白と扁平上皮癌細胞のアポトーシスとは関連性は低いものと考えられた。
|