1998 Fiscal Year Annual Research Report
頭頚部扁平上皮癌症例における末抹血中微小癌細胞検出法の開発
Project/Area Number |
10771148
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
羽鳥 仁志 昭和大学, 歯学部, 助手 (20245814)
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Keywords | 扁平上皮癌 / 磁気ビーズ / サイトケラチン19 / nested PCR / CD44 |
Research Abstract |
平成10年度、私は頭頚部悪性腫瘍の大半を占める扁平上皮癌に注目し、抗上皮抗体でラベルした磁気ビーズを用い、扁平上皮癌患者における末梢血中微小癌細胞の検出および解析法の可能性について検討した。 【平成10年度・研究計画】 1, ヒト口腔扁平上皮癌細胞株NAおよびHSC4を培養し、1×10^6個から段階希釈した癌細胞浮遊血液を作製する。この細胞浮遊液をボランティアの健常人末梢血に混入し、担癌患者末梢血のモデルとする。 2, dynabeads anti epithelial cell kit(veritas社)を用いて末梢血中の扁平上皮癌細胞を捕捉する。 3, 捕捉した細胞よりmRNAを抽出し、逆転写した後にnested PCR法にてサイトケラチン19のmRNAの発現を解析する。 4, 上記の方法によりサイトケラチン19を指標とした末梢血中微小癌細胞の検出限界について検討する。 【平成10年度・研究結果】 1, 扁平上皮癌細胞株NAおよびHSC4を健常人末梢血に混入して、本方法により検出限界を検討した。その結果サイトケラチン19のmRNAを標的遺伝子としたrested PCR法では、両細胞ともに5mlの全血中10^3個の細胞が検出可能であった。 2, 同様に抽出したmRNAからRT-PCR法によりCD44の各種バリアントフォーム(v6、v9)のmRNAの発現を解析した。その結果、両細胞ともv6、v9両バリアントを発現していた。また、これらを指標としたPCRでは5mlの全血中10^2個の細胞が検出可能であった。 現在、より効率の良い実験条件を検討中であり、扁平上皮癌患者末梢血についても解析を進めている。
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Research Products
(1 results)