1999 Fiscal Year Annual Research Report
Oral Stroptococci およびGemella sppの薬剤耐性に関する研究
Project/Area Number |
10771156
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Research Institution | Tsurumi University |
Principal Investigator |
臼井 弘幸 鶴見大学, 歯学部, 助手 (70298264)
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Keywords | Streptococci / 薬剤耐性 / β-ラクタム薬 / PBP |
Research Abstract |
健常成人の無刺激唾液を無菌的に採取し、Ampicillin(ABPC)1μg/ml、Cefaclor(CCL)10μg/mlのいずれかを添加したMS寒天培値、抗菌剤無添加の同培地およびGAM寒天培地に塗抹後嫌気チャンバーで培養した。全被験者45名中ABPC耐性streptococciの保菌者は29名(64.6%)、CCL耐性streptococci は39名(87.6%)であった。保菌者における検出菌数の相乗平均はABPC耐性株が1.4X10^3cfu/ml(総streptococci 数の0.015%)、CCL耐性株が9.4X10^3cfu/ml(0.099%)であった。ABPC耐性菌として分離された7株に対するABPCのMIC値は8〜32μg/mlの範囲であり、このうちの1株以外はCCLのMIC値が>128μg/mlの高値を示した。CCL耐性株として分離された7株は1株のみがABPC耐性を示した。菌種としてはS.oralis,S.mitis,S.sanguisであった。同一条件で以前に行ったABPC耐性株および唾液由来感受性株をあわせMIC、PBPsのABPC、CCLとの薬剤親和性を今回の耐性分離株と比較したところ、CCL耐性のpopulationがABPC耐性とはある程度独立して存在すること、ABPCとCCLとでは作用点となるPBPが異なる可能性が示唆された。一方、β-lactam耐性streptococciではMRSAのように、耐性に関与するPBPが限定されず、複数のPBPの親和性が同時に低くなる傾向が認められ、複数の変異が耐性に関与していることが考えられた。
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