1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10771157
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Research Institution | Matsumoto Dental University |
Principal Investigator |
田中 三貴子 松本歯科大学, 歯学部, 助手 (40247531)
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Keywords | 頸神経ワナ / 舌下神経 / 舌骨下筋 / HRP神経標識法 / 固有受容器 / オトガイ舌骨筋 |
Research Abstract |
1. 電気生理学的検討 遠心性神経放電としては、オトガイ舌骨筋枝の中枢切断端から不規則な神経放電と嚥下反射に一致した神経放電の2種類が観察された。嚥下反射に一致した神経放電は舌下神経本幹を頸神経ワナとの吻合部より中枢側で切断することによって消失した。一方、求心性神経放電は、オトガイ舌骨筋の牽引に対する感覚性応答が頸神経ワナの末梢側切断端から導出された。 2. 形態学的検討 オトガイ舌骨筋枝の中枢側切断端へhorseradish peroxidase-wheatgerm agglutinin(HRP-WGA)を注入することによって舌下神経本幹経由の運動ニューロンの細胞体が舌下神経核腹外側亜核に存在することが確認さねたが、頸神経ワナ経由の運動ニューロンの細胞体は標識されなかった。頸神経ワナの中枢側切断端にHRP-WGAを注入することにより同側の最吻側の脊髄神経節に感覚ニューロンの細胞体が観察された。 以上の実験結果からオトガイ舌骨筋は嚥下反射時に活動する舌下神経本幹経由の運動ニューロンと頸神経ワナ経由の運動および感覚ニューロンによって支配されており、またオトガイ舌骨筋のproprioceptorからの感覚情報は頚神経ワナを経由して伝達されることが明らかとなった。また、オトガイ舌骨筋枝の中枢側切断端にHRP-WGAを注入しても頸神経ワナ経由の運動ニューロンの細胞体が標識されなかったことは、オトガイ舌骨筋枝の軸索経路中にHRPの輸送を阻止する機構が存在していることが示唆された。平成11年度は、詳細な検討が必要と思われる。
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