ヘミフェイシャルマイクロソミアの顎顔面形態および顎口腔機能異常に関する研究

1998 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 10771176
• Research Institution: Niigata University
• Principal Investigator: 石井 一裕 新潟大学, 歯学部附属病院, 助手 (40262448)
• Keywords: Hemifacial microsomia / Helical CT scan / オクルーザー / ナソヘナサグラフ

Research Abstract

外耳、下顎頭に著明な形態異常と顔面の非対称を認め、hemifacial microsormiaと診断され、患側下顎の再建術を受けていない男1名、女1名のについて、helical CT scan撮影後の3次元画像解析プログラムによる顎顔面形態分析、オクルーザーによる咬合接触面積および咬合力分析、ナソへキサグラフによる顎運動および咀嚼筋活動の分析を行い、以下の結果を得た。
1. 両被験者とも患側の下顎頭が先天欠如し、下顎枝が短く、下顎角部の発達が悪く、これに伴い下顎が患側へ偏位し、咬合平面が患側上がりに傾斜していた。
2. 咬合接触面積および咬合力は、両被験者とも健側が明らかに大きかった。
3. 両被験者とも最大咬みしめ時に側頭筋、咬筋の筋活動は患側が明らかに小さかった。
4. 両被験者とも開口時に健側の下顎頭において回転、滑走運動が認められたが、患側の下顎頭相当部には回転運動のみ認められた。また、これに伴い最大開口時に下顎の患側への偏位が認められた。
以上の結果から、hemifacial microsomiaにおいては形態的な異常と機能的な異常が密接に結びついていることが明らかにされた。
平成11年度では、この両被験者にてgradual distractionによる患側下顎の再建術後の顎顔面形態、咬合接触面積、咬合力、顎運動、咀嚼筋活動を同様に解析し、形態の改善に伴う顎機能の変化について明らかにする。