1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10771184
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
郡 由紀子 徳島大学, 歯学部・附属病院, 講師 (70243722)
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Keywords | 小児 / 顎運動 / 6自由度 / 顆頭運動 / 顎口腔機能 |
Research Abstract |
顎口腔機能に異常を認めない個性正常咬合を有する乳歯列期(IIA期)小児4名,混合歯列期(IIIA期)小児7名,成人10名の被験者について顎運動を測定した.被験運動は矢状面内限界運動,左右側方限界運動,前方滑走運動,左右側方滑走運動,最大開閉口運動とした.顎運動の測定は,IIA期小児については磁気位相空間を利用した顎運動測定器,IIIA期小児については6自由度顎運動測定器(松風社製,MM-JI-E)を使用した.解析点は切歯点,左右の運動論的顆頭点,解剖学的顆頭中央点である.解析は,小児の側方滑走運動時の3次元的な顆頭移動量を直線距離で求め,成人と比較検討した.さらに6自由度顎運動データに基づく限界運動,滑走運動に関するパラメータを用いて小児の顎口腔機能を評価した. 小児の側方滑走運動における作業側顆頭移動量は成人に比較して有意に大きく,IIA期小児,IIIA期小児,成人の順で移動量が減少する傾向を示した.前後,上下各方向への作業側顆頭移動量も同傾向であったが,左右方向への顆頭移動量のみIIIA期小児の移動量が最も大きな傾向を示した. 限界運動については最大顆頭移動量が成人より有意に小さく,最前方咬合位における顆頭移動量,最側方咬合位における作業側顆頭移動量が成人に比較して有意に大きいことが示された.滑走運動については矢状面,前頭面における切歯路角が成人に比較して有意に小さいことが示された. 以上の結果から,小児は成人と比較して滑走運動時の平行移動要素が大きく,下顎全体として可動性の高い水平的な運動をしていることが明らかになった.小児の顆頭運動は成長とともに制限されるようになるものの,IIIA期小児においてはまだ側方への運動に自由度が残されていることが推察された. 以上の結果の一部は,第37回日本小児歯科学会大会,日本顎口腔機能学会第19回学術大会において発表した.
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Research Products
(1 results)