1998 Fiscal Year Annual Research Report
アビオトロフィア属細菌マイトジェンのスーパー抗原共通アミノ酸配列を応用した検索
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10771191
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
金本 大成 鹿児島大学, 歯学部, 助手 (20260755)
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Keywords | abiotrophia / super antigen / viridans streptococci / staphylococcal enterotoxin / ELISA |
Research Abstract |
アビオトロフィア属細菌の多様な病原性を説明する因子のひとつとしてスーパー抗原産生能に着目した。スーパー抗原産生株の検索を簡便かつ迅速に進めるために、本年度は細菌性スーパー抗原に共通のアミノ酸配列に対するウサギ抗血清を用いた新たなスクリーニング法を考案し、心内膜炎由来の10株と口腔由来の33株のアビオトロフィア菌株からスーパー抗原産生株をスクリーニングした。以下にその方法の概略と結果を示す。 ・供試菌株の培養上清中の抗原および倍数希釈したSEB精製品をELISAプレートにコート。 ・細菌性スーパー抗原共通アミノ酸配列モチーフ(CGKKNVTVQELDYKIRKYLVDNKKLYGCとCMYGGVTEHEGNGC)に対するウサギ抗血清を1次抗体、アルカリフォスファターゼ-ヒツジ抗ウサギIgGを2次抗体に用いてELISA法にて吸光度を測定。 ・各濃度のSEBの吸光度から濃度-吸光度の関係式を決定し、SEB換算のアビオトロフィア上清中のスーパー抗原濃度を算出。 供試43株のアビオトロフィア培養上清中のスーパー抗原濃度はSEB換算で0.21±0.10μg/ml(mean±SD)であった。これはStaphylococcus aureusスーパー抗原産生株における1.14μg/mlに対して低い値(18.4%)であった。しかし、供試菌株のうちでAbiotrophia defectiva YTS2、A.defectiva S1057-1、A.adiacens P7-4、およびA.adiacensC2-1、以上4株の口腔分離株培養上清中のスーパー抗原濃度は、それぞれ、0,49、0.38、0.35、および0.34μg/mlと他のアビオトロフィア菌株に比べて高い値を示し、スーパー抗原産生能を持つ可能性が示唆された。
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