1998 Fiscal Year Annual Research Report
若年者の顎関節症患者の偏側咀嚼癖とブラキシズム癖に対する神経生理学的検討
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10771192
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Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
宮脇 正一 奈良県立医科大学, 医学部・口腔外科, 助手 (80295807)
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Keywords | 顎関節症 / 咀嚼 / ブラキシズム / 筋活動 / 顎運動 |
Research Abstract |
片側咀嚼の特徴を調べるために,健常者16名を対照群被験者として,異なった大きさの規格化された食品(5g,10gのグミゼリー)を片側臼歯部で咀嚼させ,その時の側頭筋と咬筋の咀嚼筋活動と左右の下顎臼歯部と顆頭部の運動を,光学系非接触式3次元6自由度顎運動および筋活動測定装置ナソヘキサグラフシステムを用いて同時記録した。その結果,非咀嚼側の臼歯部と顆頭部の運動量が咀嚼側のそれらと比べて有意に大きく,咀嚼側の側頭筋と咬筋の筋活動量は,被験食品が存在する咀噛側臼歯部を支点とし,それぞれの咀噛筋の起始部を力の作用点とするてこの原理に従っていることがわかった。また;同様に自由咀噛を行わせた時の両側の咀嚼筋活動と顎運動を調べ,上記片側咀嚼の特徴に基づいて解析した結果,偏側咀嚼の傾向は認められなかった。次に,患者群被験者として、顎関節症III型に分類され、臨床症状や徴候に左右差の認められる成長のほぼ完了した平均年令15歳の女子5名について,同様に調べた結果,患者群の総咀嚼回数は対照群と比べて、少ない傾向を示した。しかし、患者群の総咀嚼時間は対照群と比べて、長い傾向を示していた。患者群の側頭筋前部の総咀嚼筋活動量に関して、患側健側とも、対照群と比べて、大きい傾向を示した。患者群の咬筋の総咀嚼筋活動量に関して、側頭筋とは異なり、患側、健側とも、対照群とほぼ同じ値を示した。患者群の偏側咀嚼率は有意に低い値を示した。最後に,睡眠時のブラキシズム癖を調べるために,催眠時ブラキシズムを自動計測解析するシステムを,Visual BasicとFunction LibraryであるSignalBasic Lightを用いて,パーソナルコンピュータ上に構築し,健常者5名を被験者として,二日間調べた結果,ブラキシズム以外の顎顔面運動からブラキシズムのみを抽出する基準値を求めることが出来た。
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