1998 Fiscal Year Annual Research Report
パルス電磁場刺激が実験的歯牙移動後の保定効果に及ぼす影響
Project/Area Number |
10771195
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Research Institution | Health Sciences University of Hokkaido |
Principal Investigator |
山崎 敦永 北海道医療大学, 歯学部, 助手 (80281286)
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Keywords | パルス電磁場 / 実験的歯牙移動 / 保定 |
Research Abstract |
矯正力による歯牙移動時の骨改造と電気的エネルギーによる骨改造とは重要な関係があると考えられている。しかし、電気刺激が細胞の分化や増殖に及ぼす影響と、その結果生じるbone remoderingの変化に関連した報告及び、実験的歯牙移動後におけるパルス電磁場刺激が骨形成に及ぼす機構についての報告は少なく、また一般に臨床応用されている磁場強度は、Bassettの使用した2gaussが大多数であるが、パルス幅や周波数がどの程度のものが適当であるか検討されているものは少ない。そこで本研究では、磁場刺激による最適刺激条件を検索する事と、実験的歯牙移動後におけるパルス電磁刺激が歯周組織に及ぼず影響を形態学的、組織学的に検討する事を目的とした。 1. 実験動物および歯の移動方法 実験方法として生後10週齢Wistar系雄性ラットを用いた。 歯の移動は、矯正用加工硬化型Ni-Ti合金ワイヤー(0.152mm)を使用し上顎第一臼歯の近心移動を10gで行った。歯の移動期間は、14日間とし、実験期間は歯の移動後12時間、24時間、4、7、14日間とした。歯牙移動終了直後の移動量は、平均0.37mmであった。 2. パルス電磁場の至適条件の設定 ラットは、1日12時間パルス電磁場発生装置を収容したプラスチック箱に入れた。周波数を15Hz、パルス幅を100μ secに固定し、1、2、3、4、6、8Gの6段階の磁場強度を変化させた。移動した臼歯の後戻り量は、12時間後で3gaussのものが一番少なく、平均0.16mm後戻りしていた。磁場刺激を与えなかった対照群では14日目で0.29mm後戻りが見られ、実験群では0.24mmであった。 今後は周波数、パルス幅の至適条件の設定についても検討し、組織学的検討を加えていく予定である。
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