1999 Fiscal Year Annual Research Report
歯科診療室内を移動中の小児患者の眼球運動分析と心理的要因
Project/Area Number |
10771203
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Research Institution | The Nippon Dental University |
Principal Investigator |
鈴木 広幸 日本歯科大学, 新潟歯学部, 講師 (90216432)
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Keywords | 眼球運動 / ビジコンアイカメラ / 小児患者 / 入退室 / 歯科診療室 |
Research Abstract |
1.目的;診療室を移動中の小児患者が、視線を集中させやすいところはどこか調べ、患者教育用やリラクセーションのための機材はどこに設置すべきか、見られたくないものはどこに置くべきか、小児の見方から見解を導く。 2.提示画像;1)本学小児歯科診療室における実態調査から:(1)診療室内を移動する小児患者の平均速度は約1.0m/秒。(2)小児患者の入退室時、歯科医師が同行している割合は64.2%。(3)歯科医師が同行する場合、歯科医師が先導し、その後に小児患者が続くものが53.8%、歯科医師と並んで移動するかまたは歯科医師の前を歩くものが46.2%。(4)母親が同行する場合、小児患者が先か並んで移動し、小児患者の前を母親が歩くことはなかった。2)提示映像の作成:小児患者から見た入室時と退室時の映像を、歯科医師が先導した場合と先導なしの場合の2つ、移動速度1.0m/秒で作成した。 3.眼球運動の測定;保護者と本人に承諾を得られた本学の小児患者を対象にビジコンアイカメラを用いて眼球運動を測定した。 4.結果と考察;1)入室時(1)歯科医師が先導:歯科医師には視線の全停留時間の93.7%が集中した。(2)先導なし:提示した映像を上下左右に4つに分割すると、右上には視線の全停留時間の48.8%が集中、次が左上で48.0%、左下3.2%、右下には視線が移動しなかった。2)退室時(1)歯科医師が先導:歯科医師には視線の全停留時間の46.8%が集まった。(2)先導なし:提示した映像を上下左右に4つに分割すると、右上には視線の全停留時間の79.4%が集中、次が左上で20.6%、左下・右下には視線が移動しなかった。小児患者は入室時、先導する歯科医師に固執した見方、歯科医師が先導しない場合は左右は均等だが上方に集中した見方をすることが示唆された。退室時は、歯科医師以外にも均等に視線を向ける見方、歯科医師が先導しない場合は待合室の方向である右、上下では上方に集中する見方をすることが示唆された。
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