1998 Fiscal Year Annual Research Report
実験的歯の移動におけるTGF-P1、2ならびに3遺伝子の発現に関する研究
Project/Area Number |
10771205
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Research Institution | Kanagawa Dental College |
Principal Investigator |
笹栗 健一 神奈川歯科大学, 歯学部, 助手 (10235286)
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Keywords | マウス / 上顎前歯 / 歯の移動 / H-E染色 / TRAP染色 |
Research Abstract |
現在までのところ、Waldoらの方法を用いた実験的歯の移動のモデルはラット上顎臼歯を用いたものである。しかしながら、齧歯類の上顎臼歯は生理的に遠心移動をしていることが知られているため、その組織に対して矯正力を施行した場合、矯正力による機械的外力と生理的遠心移動によって起こる現象が複合されてしまうことになり、結果の解釈には慎重を帰さなければならない。そこで本申請者は、新しい実験的歯の移動のモデルとして、Waldoらの方法を応用し、マウスの上顎前歯にゴムを挿入した。本研究では、5-6週齢のマウスを使用し,その上顎前歯部にゴムを挿入し矯正力を発現させ6、12、24、48ならびに72時間毎に組織を摘出し、ヘマトキシリン染色および酒石酸性耐フォスファターゼ染色(TRAP染色)を行った。これまでのところ組織学的には、これまで報告されているような組織像が、近心側が牽引測、遠心測が圧迫測として観察され、さらにTRAP染色では経時的に圧迫側の遠心面歯槽骨上に単核および多核の破骨細胞に観察された。以上の事から、マウスの前歯を用いた本実験系は、実験的な歯の移動を再現していることが確認された。今後この系を用いて、歯の移動に伴う細胞外基質について免疫組織学的および分子生物学的手法を用いて、検討していくものである。
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