1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10771209
|
Research Institution | Aichi Gakuin University |
Principal Investigator |
坪井 信二 愛知学院大学, 歯学部, 講師 (30231442)
|
Keywords | 骨密度 / 血液所見 / 保有歯数 / 経年変化 |
Research Abstract |
現在、厚生省では1989年に,成人歯科保健対策検討会の中間報告を発表し,その中で「8020運動」を提唱している。また1993年には老人保健法において総合診査項目に歯周疾患,骨粗鬆症検診が追加されその必要性が注目されている。成人における歯の喪失原因として,歯周病が大きな要因であることは明らかであるが,単にそれは口腔という局所的な要因だけではなく全身的な要因も関与しているのではないかと思われる。その流れの中で日本でもトータル・ヘルス・プロモーション(THP)という考え方が定着しており、全体的な健康というものが重要視されている。歯に関しても、単に口腔内の改善だけではなく口腔内を改善することにより、全身の状態が改善されることがあると予想される。そこで今回、愛知県某健診センターにおいて、人間ドック中に歯科健診を組み入れ、歯科健診を平成10年4月から12月までに受診した18歳から80歳の企業に従事する男女5343名(男性4322名、女性1021名)について、保有歯数と骨密度・血液検査結果について比較検討した。その結果、保有歯数とそれぞれの相関係数は、骨密度0.116(p<0.01),同年齢比0.030(p>0.01),20歳比0.117(p<0.01),白血球-0.046(p<0.01),赤血球-0.087(p<0.01),中性脂肪-0.013(p>0.01),カルシウム0.096(p<0.01),血清鉄0.092(p<0.01),血糖値空腹時-0.091(p<0.01),GOT-0.039(p<0.01),GPT0.023(p>0.01),尿酸0.031(p>0.01),AG比0.179(P<0.01),血小板-0.002(p>0.01),無機リン0.001(p>0.01)であった。特に歯の保有歯数と炎症性の指標とが関連しているようであった。
|