1998 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト破歯細胞のイオン輸送機構に対する骨代謝関連因子の作用
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10771211
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Research Institution | Fukuoka Dental College |
Principal Investigator |
高田 圭介 福岡歯科大学, 歯学部, 助手 (90299595)
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Keywords | 破歯細胞 / 培養 / パッチクランプ |
Research Abstract |
[ヒト破歯細胞の単離] 当大学付属病院小児歯科に来院された患児より抜去した乳歯を標本とした。実験の初期の段階であるため、便宜的あるいは、保存不可能と診断された歯根吸収のみられる乳歯を無作為に用いた。標本は抜歯後ただちに、培養液(HEPES-Tris調整FBS)に保存し、破歯細胞の分布状態を確認する為、抜去歯をTRAP染色した結果、ほとんどの歯の歯根吸収面がTRAP陽性反応を示す事が分かった。このことより、歯根吸収面の組織を機械的に除去し、我々が従来行っている破骨細胞の分離法に従い、破歯細胞の分離を試みた。結果は、非常に集率が悪くデータの収集には適さないと判断した。次に、抜去歯の歯根周囲組織を酵素処理によって培養液中に化学的に剥離し、遠心操作によって細胞組織を分離する方法で実験を行った。この結果からは、細胞集率の向上が認められた。カバーグラスに分離された細胞はTRAP陽性反応を示し、単核及び多核を有し破骨細胞に類似した形態を呈していた。この結果は、我々が破骨細胞で得た結果とよく一致するところがあり破骨細胞と破歯細胞は形態的に類似すると考えられた。 [破歯細胞のイオン輸送] 現段階では、イオン輸送の特性を知る方法であるバッチクランプの実験に上記の方法が有効であることが期待されるが、詳細についてはこれからまだ実験を重ねる必要がある。そのなかでも分離できた細胞について幾つかのイオン輸送の実験を行った結果、破骨細胞の特徴と類似する結果を得ている。
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