1999 Fiscal Year Annual Research Report
硬組織基質成分の有する石灰化誘導能の実験的研究-骨および象牙質脱灰基質の同時移植法による解析-
Project/Area Number |
10771216
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
平川 正彦 広島大学, 歯学部・附属病院, 助手 (90243584)
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Keywords | 歯周組織再生 / 硬組織基質成分 / 歯根膜細胞 / マラッセ上皮細胞 / 同時移植 / Bone morphogenetic protein / Osteopontin / 組織学的観察 |
Research Abstract |
骨や象牙質に含まれる様々な成長因子、各種の基質蛋白は組織の分化誘導に関与する。また、機能的な歯周組織の再生には歯根膜細胞、特にマラッセ上皮細胞が重要であると言われている。歯周組織修復とマラッセ上皮細胞との関わりを、ラット歯根の機械的刺激による組織破壊と歯周組織再生の実験モデルにより検討した。 本研究により新たに得られた知見は以下のようである。 ○マラッセ上皮細胞の、In vivoでの組織分化誘導に対する作用の検討。 1.HE重染色:機械的刺激3日後、歯根面に隣接した歯周靭帯組織中に、5日後では歯根面付近にマラッセ上皮細胞がみられた。7日では歯根象牙質の一部に吸収窩が認められ,それに近接してマラッセ上皮細胞を思わせる細胞集塊が存在したが、吸収窩に面する歯周靭帯中にはみられなかった。14日目でもほぼ同様に吸収窩に隣接する歯周靭帯中にマラッセ上皮細胞が観察された。 2.免疫組織染色:OPN、BMP-2、ameloblastin、amelogenin、enamelin、PCNAの発現を免疫組織染色により観察した。歯根吸収前ではマラッセ上皮細胞はいずれの抗体にも陽性反応を示さなかったが、歯根吸収期では抗BMP-2抗体に反応した。その後、セメント修復期では抗PCNA抗体に強く反応した。また抗OPN抗体、抗ameloblastin抗体に対しても陽性反応を示した。しかし、この時期には抗BMP-2抗体に対しては反応はみられなかった。 以上よりマラッセ上皮細胞は歯周組織再生時に自らの形成過程に類似した形態を示すことが示唆された。
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Research Products
(1 results)