1998 Fiscal Year Annual Research Report
イヌ実験的インプラント周囲炎におけるビスフォスフォネートの骨吸収抑制作用
Project/Area Number |
10771230
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Research Institution | Asahi University |
Principal Investigator |
犬束 明弘 朝日大学, 歯学部, 助手 (00298423)
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Keywords | ビスフォスフォネート / 実験的インプラント周囲炎 / 骨代謝マーカー / 骨吸収抑制作用 |
Research Abstract |
ビーグル成犬10頭の下顎第3前臼歯を抜歯し歯槽骨の治癒後、1次手術として骨窩洞を作製しAstra tech社製チタン・インプラント・フィクスチャーを埋入し4カ月間の静着期間を置いた。2次手術としてインプラントフィクスチャーに上部構造を装着し、4週間の歯肉治癒期間をおき、その後、絹糸結紮により実験的インプラント周囲炎を惹起させた。実験群5頭にはビスフォスフォネートを皮下注射により週2回投与し、対照群5頭には生理食塩水を同様に投与した。毎週規格レントゲン写真を撮影と採血、採尿を行い血液は血清を分離。規格レントゲン写真はコンピュータに画像を取り込みインプラント周囲の骨吸収進行状況を計測できるように画像のずれ及び濃度を補正し統一化した。画像解析ソフトを用い、インプラント周囲の骨吸収進行状況を数値化しグループ間で比較を行った。 骨代謝マーカーについて尿からはデオキシピリジノリン、血液から得られた血清からはオステオカルシンを、ELISA法を用い測量した。 また実験終了時には直接、骨吸収状況を観察するため、歯肉を剥離しインプラント周囲の骨吸収量を測定した。 【実験結果】画像解析結果から絹糸を結紮し実験的インプラント周囲炎惹起後、3週目以降で投与群において対照群よりも高い推移が見られた。血中オステオカルシン量は実験開始2週目以降、投与群に変化が見られなかったのに対し、対照群で低い変動が見られた。尿中デオキシピリジノリン量は実験開始3日目および1週目に投与群と比較して対照群で高い値を示した。実験終了時の計測結果は対照群(2.54mm)と比較し実験群(1.50mm)において骨吸収の抑制が見られた。
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