1998 Fiscal Year Annual Research Report
矯正学的固定源に用いるメッシュ状チタン-BMP複合体骨膜下インプラントの開発
Project/Area Number |
10771232
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Research Institution | Aichi Gakuin University |
Principal Investigator |
宮沢 健 愛知学院大学, 歯学部, 助手 (60301636)
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Keywords | インプラント / チタン / BMP / 歯科矯正治療 / 骨形成 |
Research Abstract |
現在研究されている矯正用インプラントは骨内インプラントであり,矯正治療患者に植立する場合,歯,歯根の存在や位置,移動方向や移動量,歯槽骨の大きさによって植立部位が極めて制限される.そこで骨膜下インプラントに着目し,骨内部に侵襲を加えず,骨表面に固定源の部位を自由に設定できる歯科矯正治療専用の新しいインプラントの開発を本研究の目的とした.まずメッシュ状骨膜下インプラントに新生骨が形成されるか否かを検討するために2種のメッシュ状チタンを兎骨膜下に移植した.チタン製メッシュ(直径6mm)にチタン製0.2mmワイヤーを4本結紮して製作したインプラント体を,日本白色家免(2.5〜3.0Kg)18羽の大腿骨骨膜下に左右それぞれ4箇所,合計144箇所埋入した.1週間,1カ月,3カ月後に兎を屠殺し大腿骨を摘出,直ちに万能試験器(Instron MODEL l125)を用いて引張試験を行いインプラント体と骨の結合強さを測定した.また同部位のX線写真による観察を行い,さらに非脱灰研磨標本を作製し組織学的検索を行った. その結果、1.各期間別における引張強さは埋入期間の長い群ほど有意に強かった.2.チタンメッシュの粗さの違いにおける引張強さには有意な差は見られなかった.3.X線写真,組織学的検索から埋人後1カ月において,チタンメッシュ上に新生骨組織が確認され,一部ではチタンと新生骨が直接接触していた.以上よりメッシュ状チタン骨膜下インプラントは矯正治療の固定源として応用できる可能性が示唆された.今後,インプラント体の改良,BMPとの複合化における新生骨形成能等についてさらに検討してゆく予定である.
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