1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10771234
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
安原 明登 東北大学, 薬学部, 助手 (70256056)
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Keywords | 電気化学 / 活性金属 / ニッケル |
Research Abstract |
有機合成化学上重要な活性金属の調製のために,電気化学による新たな調製法を開発する目的で,酸化還元電位の低いニッケルを用いてその手法を検討した. 陰極に白金板,陽極にニッケル板を,支持電解質にBu4NBF4を用い無水DMF溶媒中,アルゴン雰囲気下1室型セルで定電流電解を行った.その結果,陰極に0価ニッケルの付着や,沈殿は認められず,黒色の懸濁液が得られたので,この電解調製ニッケルを利用する際には,シリンジなどにより容易に反応容器を変更することが可能である.金属の反応性はその粒子サイズに大きく影響されることが知られているので,その粒子径を,Transmission Electron Microgragh(TEM)で測定したところ,その直径は2-3nmでDMF中に均一に分散していることが観測された.これはC8Kを用いてNiBr2を還元して得られるNi/Graphite(2-7nm)と同程度の大きさであり,Rieke nikelの粒子サイズの報告はないものの,他のRieke metalの粒子サイズから,ほぼ同程度であると考えられる. 次に電解で得られたニッケルの反応性について検討した.Riekeらの場合と同様にハロゲン化ベンゼン誘導体への酸化的付加反応を伴うビアリール化反応について検討した.その結果,電子供与性および求引性のいずれの官能基をパラ位にもつヨードベンゼンでも反応は円滑に進行し目的とするビフェニル対が得られた.また,ブロムベンゼンでは反応温度を上昇させる必要があるものの円滑に反応が進行した.このように,反応条件は若干異なるもののRiekeらの報告した結果とほぼ同程度の収率で目的物を得た
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Research Products
(1 results)