1999 Fiscal Year Annual Research Report
新規ヘリックス構造の創出:ハイブリット型ペプチド鎖の設計,合成および機能評価
Project/Area Number |
10771242
|
Research Institution | Toyama Medical and Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
柴田 哲男 富山医科薬科大学, 薬学部, 講師 (40293302)
|
Keywords | アミノ酸 / フルオロ / 核酸 / ペプチド / PNA / Ugi反応(ウジ反応) / アンチセンス |
Research Abstract |
PNAの発見以来,アンチセンス分子の開発を念頭に,アミノ酸のα位や窒素上に核酸塩基をぶら下げたペプチドの合成が盛んに行われるようになっている。私は,新規なハイブリッド型ペプチドとして,アミノ酸の窒素上にp-フルオロフェネチル基やp-フルオロベンジル基を持つペプチドに興味を持った.フルオロベンゼン類はベンゼン環などの芳香族化合物と強いスタッキング作用を起こすため,PNA構造に組み込めば,3次構造に顕著な影響を与えると予想できる.またフルオロトルエンは核酸塩基のチミンのイソスターになることが知られていることから,フルオロトルエンを組み込んだペプチドは,アンチセンス分子になる可能性が高い.そこで,標的として,ジペプチドの窒素原子にp-フルオロフェネチル基を持つ化合物1と,αおよびβ-アミノ酸からなるジペプチドの窒素原子にp-フルオロベンジル基を付けた化合物2を設計し,それらの合成法を検討した.N-p-フルオロフェネチルペプチドの合成は,N-メチルペプチドの合成法なとが適応可能であると考えられるが,工程数が多く良い方法とはいえない.私は短工程で実施できる合成法を種々検討した結果,Ugi反応を利用する1ポット合成法を見出した.すなわち,N保護α-アミノ酸とイソニトリル,p-フルオロフェネチルアミン類およびアセトンをメタノール中で撹拌すると,4つの成分が縮合して,一挙にジペプチド1を与えた.また,原料にN保護β-アミノ酸とp-フルオロベンジルアミン類を用いた場合には,2が首尾良く得られることがわかった.
|
-
[Publications] Y. Takeuchi, et al.: "(R)- and (S)-Fluorothalidomides: Isosteric Analogues of Thalidomide"Organic Letters. 1・10. 1571-1573 (1999)
-
[Publications] Y. Takeuchi, et al.: "A Novel and Efficient Synthesis of 3-Fluorooxindoles from Indoles Mediated by Select Huor"Organic Letters. 2・5. 639-642 (2000)