1998 Fiscal Year Annual Research Report
異常塩基対形成能をもつ8-オキソアデニンヌクレオシド類の合成
Project/Area Number |
10771244
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
金井 妙 金沢大学, 薬学部, 教務職員 (80251932)
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Keywords | 8-オキソアデニン / 8-オキソアデノシン / アデニン 3-オキシド / 3-メトキシアデニン / イソグアニン合成 / 加水分解 / 8-オキソアデニンヌクレオシド |
Research Abstract |
1. アデニン3-オキシド誘導体を経て8-オキソアデニン誘導体であるaplidiamineを合成するためのモデル実験として,アデニン3-オキシドまたはそのN(6)-ベンジル体をメチル化して得た3-メトキシアデニンまたはそのN(6)-ベンジル体を,水酸化ナトリウム水溶液で処理したところ8-オキソ体ではなく2-オキソアデニン誘導体が得られた.この結果から3-オキシド誘導体を経由する方法は8-オキソアデニン誘導体の合成法とはならないものの,2-オキソアデニン誘導体の新規合成法となることがわかった. 2. 8-オキソアデノシンを出発物質としてN(6)位の位置選択的アルキル化,Dimroth転位,塩酸による加水分解を行うことで8-オキソアデニンヌクレオシドとなるaplidiamineの9位リポシル体を合成することができた.この9位リポシル体の塩酸による加水分解では8-オキソアデニンのみを与え,aplidiamineを得ることはできなかった.一方,8-オキソアデノシンに代え2'-デオキシ-8オキソアデノシンを出発物質に用いて同様に処理することにより,8-オキソアデニン誘導体であるaplidiamineを合成することができた.さらに,NMR解析によりaplidiamineの構造についてこれまで考えられていた双性イオン構造は誤りであることがわかった.
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