1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10771255
|
Research Institution | Kyoritsu University of Pharmacy |
Principal Investigator |
羽田 紀康 共立薬科大学, 生薬学教室, 助手 (70296531)
|
Keywords | 無脊椎動物 / 糖脂質 / 化学合成 / Echinocecus multilocularis / Pheretima hilgendorti |
Research Abstract |
近年、植物、動物を問わず細胞の認識に係わる現象に様々な形で細胞表層の糖鎖が関与することが示唆されている。 我々は、以前に下等動物の複合糖脂質の系統的研究を行い軟体動物由来の一連のオリゴ糖鎖(mollu系列)を合成してきた。今回、環形動物、袋形動物及び扁形動物より見いだされた糖脂質のうちneogala系列の系統合成を目標とし、中でもエキノコッカスの一種から単離された新規糖脂質Fucα1→3Galβ1→6Galβ1-ceramide及びGalβ1→6(Fucα1→3)Galβ1→6Galβ1-ceramideは、host-parasite interactionの観点から機能上興味があり、これらを含んだ4種のアナログ体の合成を完了した。次に動物生薬として用いられている「地龍」及び「水蛭」由来の一連の糖脂質を目標とし、今回はManα1→4Galβ1→6Galβ1-ceramide及びGalα1→6(Manα1→4)Galβ1→6Ga1β1-ceramideを手がけた。前者については学術雑誌に投稿し、受理され、後者については現在投稿準備中である。今後、さらに同生薬より見いだされたガラクトースの6位にホスフォコリン基が結合した両性イオン型糖脂質の合成を行いその生理活性について検討する。neogala系列終了後、さらに節足動物由来のarthro系列、腔腸動物由来のschisto系列など一連の糖脂質についても検討する。
|