1998 Fiscal Year Annual Research Report
ホルトエステルを経由する新規グリコシル結合形成法の開発と応用
Project/Area Number |
10771256
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
大竹 廣雄 帝京大学, 薬学部, 助手 (50256054)
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Keywords | グリコシル化反応 / オルトエステル糖 / スピロ環状オルトエステル / 還元的開裂 / β-マンノシル化 / 選択的還元 |
Research Abstract |
グリコシル結合形成反応に関しては、Koenigs-Knorr法が開発されて以来、主にグリコシルドナーの活性化に主眼をおいた開発研究がなされてきている。本研究では、これとは異なるアプローチとして、グリコシル結合の形成を、1)糖ラクトン体と糖ジオール体とのオルトエステルの形成、2)形成したオルトエステルの還元的開裂、の2段階の反応として行なう新たなグリコシル化法の開発を目的とした。 グルコースの4,6-ジオール体とD体の各種糖ラクトン体との間でのオルトエステルの形成については、既に検討を行なっていたため、新たにガラクトースの4,6-ジオール体及びL体の糖のラクトン体を用いたオルトエステル糖の合成を行なった。ラクトン体及び当量のジオール体を、過剰量のTMSOMe及び触媒量のTMSOTfの存在下反応させ、生成するTMSOTMs等を減圧下で留去した。この操作を繰り返すことにより、各種のオルトエステル糖を良好な収率で得ることができた。 合成したオルトエステル糖を還元的に開裂した場合、位置選択性の点から2種類の開裂の仕方が考えられ、さらに、その結果生成した化合物には各々α体とβ体の2種類の異性体が存在する。この点を踏まえ、オルトエステル糖を選択的に還元する還元剤の検索を行なった。その結果、LiAlH_4/AlCl_3を用いることにより、選択的にβ-(1→4)結合を有する各種の2糖が得られ、NaCNBH_3/AlCl_3を用いることにより、選択的にβ-(1→6)結合を有する各種の2糖を合成することができた。この方法では、一般のグリコシル化では困難とされるβ-マンノシル化およびβ-ラムノシル化も効率良くかつ極めて高い選択性で行なうことができた。
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[Publications] Hiro Ohtake: "Synthesis and Structure of Glycosyliene Acetals of Galactoside" Heterocycles. 47. 685-688 (1998)
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[Publications] Hiro Ohtake: "A Highly Stereoselective Construction of Glycosy1ーβ-(1→4)-Galactoside Linkages by Reductive Cleavage of Cyclic Orthoesters" Synlett. 1420-1422 (1998)