1998 Fiscal Year Annual Research Report
血漿アポリポ蛋白質の結合選択性を利用した脂質エマルションの体内代謝の制御
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10771274
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Research Institution | National Institute of Health Sciences |
Principal Investigator |
斎藤 博幸 国立医薬品食品衛生研究所, 大阪支所・薬品試験部, 研究員 (60300919)
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Keywords | エマルション / リポ蛋白質 / アポリポ蛋白質 / スフィンゴミエリン / コレステロール / 蛍光プローブ / NMR |
Research Abstract |
エマルション表面膜の構造評価として、膜蛍光プローブの導入による分子レベルでの構造解析を行った。まず、疎水性の強い蛍光ブローブであるジブエニルヘキサトリエンの誘導体を用いて、表面膜疎水部の構造に対するスフィンゴミエリンやコレステロールの影響を比較したところ、スフィンゴミエリンやコレステロールはアシル鎖の運動性を抑制することで膜を堅くするが、その効果はコレステロールの方が大きいことが明らかとなった。さらに、比較的疎水性の低い蛍光ブローブdansyl基をリン脂質極性基に結合させたdarsyl-PEが、エマルション表面膜極性部の構造評価に適していることを発見し、その重水同体効果を利用した永和状態の測定からリン脂質極性部の構造を評価する方法を確立した。その結果:スフィンゴミエリンは極性部の構滓性を著しく増大させ部のに対し、・コレステロール1は声極性部構造にあまり影響を与えないことが示された。すなわち、スフィンゴミエリンやコレステロールによる構造変化は表面膜の部位によって異なり、スフィンゴミエリンが極性部構造の、コレステロールが疎水部構造の運動性をそれぞれ強く抑制することが明らかとなった≦また、13C-NMRによる極性部力ルボニル炭素の運動性や局部環境の測定結果からもスフィンゴミエリンがカルポニル炭素原子の運動性を強く抑制することが示.され、蛍光ブローブ法による結果と一致した。エマルション粒子に対するリポプロテインリパーゼの反応性やアポリポ蛋白質の結合性がスフィンゴミエリンのような特定の脂質によって抑制されることが知られているが、これら生体反応の脂質特異性が、表面膜の特定の部位(たとえば極性部)の構造変化に起因している可能性が、上記の表面構造に関する知見から示唆される。
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[Publications] 斎藤 博幸: "生体エマルション“血漿リポ蛋白質"の構造と代謝" 膜(Membrane). 23・3. 120-125 (1998)
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[Publications] Itaru Arimoto: "Surface Composition Regulates Clearance from Plasma and Triolein Lipolysis of Lipid Emulsions" Lipids. 33・8. 773-779 (1998)