1998 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト好酸球性前駆細胞株の樹立と好酸球顆粒蛋白質の遺伝子制御機序の解析
Project/Area Number |
10771276
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
日塔 武彰 東北大学, 薬学部, 助手 (00301036)
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Keywords | 好酸球顆粒蛋白質 / major basic protein / eosinophil cationic protein / EoL-1 / 骨髄細胞 / interleukin 5 |
Research Abstract |
1. ヒト好酸球性細胞株EoL-1細胞における好酸球顆粒蛋白質の発現量の解析を行った。EoL-1細胞よりacid guanidinium phenol chroloform法にてtotal RNAを調製した後、ヒトmajor basic protein(MBP)及びeosinophil cationic protein(ECP)の発現をRT-PCRによって検討したところ、これらの遺伝子の発現は認められなかった。また、EoL-1細胞を好酸球へ分化させる薬物として知られているsodium-n-butylatc存在下でEoL-1細胞を7日間培養したが、上記の遺伝子の発現は認められなかった。そこで、ヒトIL-5 receptorのα鎖をEoL-1細胞に強制発現させるために、ヒトIL-5 receptor α鎖のcDNAをRT-PCR法によって増幅した後、発現プラスミドに組み込み、EoL-1細胞にtransfectする予定である。 2. 1の実験とは別に、正常組織由来の骨髄細胞における好酸球顆粒蛋白質の発現制御機構を解析するために実験系の確立を試みた。すなわち、ラットの骨髄細胞を調製し、一定期間IL-5存在下で培養した後、cell lysateを調製し、細胞内に含まれるMBP量をWestern blotting法にて測定した。その結果、IL-5非存在下でラット骨髄細胞を7日間培養した場合には、いずれの培養日数においてもMBPは検出されなかったが、100pMのIL-5存在下でラット骨髄細胞を培養すると培養3日目から、細胞内のMBP量は経時的に増加した。従って、ラット骨髄細胞をIL-5存在下で培養すると、MBP蛋白質の合成が誘導されることが示唆された。現在こうした現象がmRNAレベルにおいても観察されるかについて検討中である。
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