1998 Fiscal Year Annual Research Report
DNAトポイソメラーゼIIαの生理的機能と発現制御機構
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10771295
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
足立 典隆 横浜市立大学, 木原生物学研究所, 助手 (30264675)
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Keywords | トポイソメラーゼ / 細胞増殖 / ジーンターゲティング / プロモーター / NF-Y / アセチル化 / 細胞周期 |
Research Abstract |
1. トポIIaの生理的機能の解明_マウスES細胞を用いたジーンターゲティング法により取得したヘテロ変異細胞を解析し,トポIIa発現量の低下が細胞増殖速度を遅らせることを明らかにした。また,トポIIa発現量とトポII阻害剤感受性との間に正の相関関係があることを明確に示した。さらに,ホモ変異細胞の分離を試みることで,本酵素が細胞増殖に必須な役割を果たしていることを強く示唆する結果を得た。現在,個体レベルの解析を目指してノックアウトマウスの作製を行っており,既にキメラマウスの取得に成功した。 2. トポIIaの発現制御機構の解明_マウスNIH3T3細胞を用いたトランジェントアッセイにより、トポIIaプロモーターの活性は細胞周期に依存して変化しておりG/M期に最大に達することを示した。こうした転写調節に関わるシス配列をさまざまな変異解析により検索し,複数の逆向きCCAAT配列(ICB)がG2/M期での転写活性化に必要であることを明らかにした。また,ゲルシフト法により,ICBに結合する転写因子としてNF-Yを同定し,細胞周期の各期におけるNF-Yの発現量およびICB結合能の比較を行った。さらにin vivo foot-printing解析を行い,プロモーター上における転写因子の結合様式は細胞周期を通じてほとんど変化しないことを明らかにした。そこで,ヒストンアセチル化の関与を調べたところ,脱アセチル化酵素阻害剤であるトリコスタチンAによりプロモーター活性が著しく上昇することを見い出した。現在,アセチル化の役割に関してさらに詳細な解析を進めている。一方,トポIIamRNAの安定性における3'非翻訳領域の役割を調べ,この領域単独では細胞周期に依存したmRNA安定性の変化に関与していないことを示した。
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[Publications] C.Nakayama: "Bleomycin enhances random integration of transfected DNA into a human genome." Mutation Research. 409. 1-10 (1998)
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[Publications] M.Kobayashi: "Characterization of the 3'untranslated region of mouse DNA topoisomerase IIα mRNA" Gene. 215. 329-337 (1998)